代理店が GEO(LLMO・AIO 対策)を中小企業に売るには:三つのメニュー、工数、料金、言ってはいけないこと

    執筆:TriloAI 編集チーム公開:全面改訂:更新:

    代理店が中小企業に GEO を提供するなら、単発の診断、月次の計測レポート、コンテンツと店舗情報の改善の三つにサービスを分けるのがおすすめです。メニューごとに、納品物と人手のかかる作業を明記します。料金は「ツール費+工数+リスク」から積み上げます。クライアントに約束するのは納品物と計測方法だけで、順位も、AI に必ず推薦されることも、効果が出るまでの期間も保証しません。

    GEO(生成エンジン最適化。日本では LLMO 対策・AIO 対策とも呼ばれます。入門ガイド)は、ChatGPT、Gemini、Perplexity、Google の AI による概要、Claude の回答で、ブランドが言及・推薦・引用されるかどうかを扱う取り組みです。この記事は、中小企業や店舗をクライアントに持つ広告代理店、SEO 支援会社、SNS 運用代行会社に向けて書いています。改善作業の多くはもともと手がけている仕事で、新しく加わるのは計測と、その結果をクライアントにわかりやすく伝えることです。

    三つのメニューに分けると、クライアントは何にお金を払うのかがわかります

    中小企業の経営者は、一度に大きな判断をしたがりません。診断を最初の受注に、計測を月額にして、改善は取りこぼした質問に応じて別に見積もるほうが、「AI 最適化サービス」一式で提案するよりずっと話が進みます。

    項目単発の診断月次の計測コンテンツと店舗情報の改善
    向いているクライアントAI が自社をどう語っているか、まだ知らない経営者。提案前の最初の受注診断を終えて変化を見たいクライアント。SEO の月次レポートをすでに契約しているクライアントへの追加取りこぼした質問がはっきりしていて、サイトとビジネス プロフィールの編集権限を渡してもらえるクライアント
    納品物質問リスト、プラットフォーム別の基準レポート、取りこぼした質問 3 つ、AI クローラーの確認、1 ページの施策リスト、説明の打ち合わせ 1 回毎月同じ形式の月次レポート(同じ質問での再計測、引用元の変化、翌月の計画)取りこぼした質問に合わせて書き直す・追加するページとよくある質問、Google ビジネス プロフィールの整理、クチコミ返信の流れ、構造化データ
    人手がかかる作業ヒアリングと質問作り、別名と競合の確認、AI の元の回答を読む、取りこぼした質問への対策を書く、資料作り再計測前の質問確認、その月の変化を読む、月次レポート作成、定例会原稿執筆、クライアントとの事実確認、公開作業、ビジネス プロフィールの整理。三つの中でいちばん人手がかかる
    ツールの使用量1 回計測毎月 1 回計測。サイト修正後に確かめたいときは追加で計測月次の計測と同じ回を共用
    説明しやすい料金の形単発の固定料金月額。質問数、プラットフォーム数、市場数を明記項目ごとの見積もり、または月の工数上限

    単発の診断は 1 回の打ち合わせで説明しきれる内容にします

    診断で渡すのは分厚いレポートではありません。1 回の打ち合わせで、AI がいま自社をどう語っているか、誰に負けているか、まず何を三つやるかを経営者が理解できれば十分です。納品物もこの順に並べます。

    1. 質問リスト:お客様が実際に使う言葉で、推薦、比較、価格、不安、地域など意図の違う質問を 10〜15 問作ります。クライアントのブランド名は入れません。入れると計測ではなく、AI への誘導になってしまいます。
    2. 基準レポート:プラットフォームごとに、言及されたか、推薦されたか、ページが引用されたかを分けて示し、総合点を一つだけ出すことはしません。プラットフォームによって結果が大きく違うのはよくあることです(実測)。
    3. 取りこぼした質問 3 つ:AI が同業のブランドを推薦したのに、クライアントは推薦されなかった質問です。1 問ごとに「競合が推薦されたのは何があったからか、こちらは何を補えるか」を 1 行で書きます。
    4. AI クローラーの確認:robots.txt を開き、検索用のクローラーをブロックしていないかを見ます。OpenAI によると、OAI-SearchBot をブロックしたサイトは ChatGPT の検索の回答に表示されず、学習用の GPTBot はそれとは別の設定です(OpenAI のクローラー説明、英語)。Google-Extended は Google 検索には影響しません。管理するのは、コンテンツを Gemini の学習に使うかどうかと、Gemini アプリで回答の裏付け(グラウンディング)に使うかどうかです(Google の一般的なクローラー)。
    5. 1 ページの施策リスト:多くても 3 項目です。誰がやるか、クライアントに何を用意してもらうかを明記し、実行できることだけを載せます。

    月次の計測で売るのは毎月の新しいレポートではなく、同じ質問での比較です

    月次計測の価値は「比べられること」にあります。質問やプラットフォームが一つでも変われば、前後の数字は比べられません。しかも AI の回答は、同じ質問でも変わります。当社が同じ 14 問を 2 回聞いたところ、言及率は 31.5% と 41.7% に分かれました(可視性の算出方法)。だから月次レポートには区間を付け、区間が重ならない変化だけを本当の変化として扱います。

    • 質問を固定する:毎回同じ質問セットで計測し、ツールが自動で再計測しないなら社内のカレンダーに入れておきます。
    • プラットフォームを固定する:今月一つ欠けたら、合計の数字は先月とそのまま比べられません。
    • 形式を固定する:AI 可視性の月次レポート テンプレートのような決まった形を使い、経営者が毎月同じ場所で同じ数字を見つけられるようにします。
    • 定例会では変化と翌月の作業だけを話します。計測方法の説明は最初の 1 回で十分です。

    コンテンツと店舗情報の改善はいちばん人手がかかるので、取りこぼした質問から作業を組みます

    作業リストは取りこぼした質問から作ります。そこで競合が推薦された理由こそ、クライアントのために補うべきものだからです。

    • サービスのページとよくある質問:価格の目安、対応地域、営業時間、どんな人に向いているかといった事実をはっきり書き、1 ページで一つのことを扱います。
    • Google ビジネス プロフィール:ローカル検索結果は主に関連性、距離、知名度で決まり、クチコミが多く評価が高いことも有利に働く、と Google は書いています。ランキングを上げるための依頼や金銭は受け付けていません(Google ビジネス プロフィール ヘルプ)。
    • 構造化データ:ローカル ビジネスのマークアップで営業時間や部門などを Google に伝えられますが、構造化データを使うコンテンツが必ず検索結果に表示されるとは限りません(Google のドキュメント)。クライアントを正しく認識してもらう助けにはなっても、引用の保証にはなりません。
    • ページを大量に作らない:ユーザーにとっての価値がないまま、検索順位の操作を目的に大量のページを作ることを、Google はスパムとしています。生成 AI ツールで大量のページを作ることも例に挙がっていて(Google のスパムに関するポリシー)、ページ数で見積もるとこの方向に流れやすいので、項目ごとの見積もりのほうが安全です。

    工数は勘で決めず、最初のクライアントで測ります

    GEO 支援の工数について、信頼できる統計を当社は把握していません。ここでは測り方だけを書きます。最初のクライアントがものさしです。

    1. 上の表の「人手がかかる作業」の行を作業項目に分け、項目ごとに時間を記録する欄を作ります。
    2. 最初の試験的なクライアントで実際にかかった時間を記録し、クライアントの返事待ちや事実確認のやり取りにかかる時間は別に記録します。いちばん少なく見積もられがちな部分です。
    3. 最も時間を取られるのは AI の元の回答を読む作業で、15 問を 5 つのプラットフォームで計測すれば回答は 75 件になります。1 件ずつ読むもの(取りこぼした質問、クライアントへの言及がある質問)と、集計だけ見ればよいものを先に決めておきます。
    4. 2 社目、3 社目でも記録します。安定してきた数字が、見積もりの基準です。
    5. 四半期ごとに実際の工数と見積もりを比べます。差が大きければ、サービスの範囲か料金を見直します。

    料金は他社の見積もりをまねず、原価から積み上げます

    GEO 支援の料金相場についても、信頼できる公開統計は見つかっていないので、ここでは相場の数字を書かず、原価を出してから必要な利益を乗せるやり方を紹介します。

    • ツール:ツールの課金方式(回数、質問数、ブランド数)を、そのクライアントの月あたりの費用に換算します(方式ごとの違いはGEO ツールの料金体系)。
    • 工数:作業項目ごとの実際の時間に、社内の 1 時間あたりのコスト(人件費に、オフィスやソフトウェアなどの固定費を足したもの)を掛けます。
    • リスク:よくある追加コストを三つ見込んでおきます。一つ目は再計測です。区間が広すぎて差がわからないときは、もう一度計測することになります。二つ目は待ち時間です。クライアントがサイトやビジネス プロフィールの権限をなかなか渡してくれなくても、人の手配はもう済んでいます。三つ目は範囲の拡大です。レポートを見た経営者が、市場や競合を一つ増やしたくなることがあります。

    見積書には数量をはっきり書きます。質問数、プラットフォーム数、市場数、年間のレポート数、修正するページ数、そして「含まないもの」の欄まで書いておけば、クライアントが他社と比べるときも同じものどうしで比べてもらえます。

    初回の打ち合わせでは、まずこの 5 つを聞きます

    1. 「お客様は、御社を探す前にどんなふうに質問しますか?」お客様の言葉そのままで質問を作り、ブランド名は入れません。どの都市、どの市場が対象かもあわせて確認します。
    2. 「お客様はよく、どこと比べていますか?」これが指定する競合のリストになります。AI が挙げる競合は同じカテゴリーとは限らないので、クライアント自身が認める競合のリストを先に持っておくと、レポートが的外れになりません。
    3. 「ブランドにはほかにどんな呼び方がありますか?」英語名、略称、旧名、店舗名、親会社名をすべて聞きます。2026 年 10 月に自社製品を計測したとき、Perplexity は実は当社を推薦していたのですが、使っていた名前は社名の TriloAI でした。別名を入れていなかったので、言及なしと数えられていました。
    4. 「サイト、Google ビジネス プロフィール、予約サイトやクチコミサイトは、今どなたが管理していますか?こちらで編集できますか?」権限によって売れるメニューが決まります。権限がなければ、まず診断と計測から始めます。
    5. 「半年後に何が見えていれば、この費用に見合ったと感じますか?」期待を、測れるものに置き換えます。言及率の区間、取りこぼした質問の減少、自社ページが AI に引用され始めること、などです。

    順位の保証、推薦の保証、効果が出るまでの期間の保証は口にしません

    Google がサイト運営者向けに書いた「SEO 業者の利用を検討する」は率直で、Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できないとし、変更すれば必ず上位に表示されると言う業者なら別の業者を探すよう書いています。業者には「期待される結果とその時期、成果をどう測定するのか」を聞くよう勧めてもいます(Google 検索セントラル)。いずれクライアントからも同じことを聞かれます。答え方を用意しておきましょう。

    言わないこと代わりにこう言う理由
    「1 位を保証します」「毎月同じ質問で計測し、AI が御社と競合をどう並べているかをお見せします」誰も 1 位を保証できないと Google が明記している。AI の回答の順番も毎回変わる
    「ChatGPT に必ず推薦させます」「AI が競合を推薦するときに使っていて、御社に欠けている情報を補います」選び方のルールをすべて公開しているプラットフォームはない。Google は、AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、AI 専用のファイルやマークアップも不要としている(Google の説明)
    「3 か月で必ず効果が出ます」「毎月同じ数字をご報告し、区間が重ならない変化だけを成果として数えます」効果が出るまでの期間を公表しているプラットフォームはない。何も変えずに同じ質問を聞き直すだけで、言及率は 31.5% と 41.7% に分かれた
    「お金を払えば上位に載せられるルートがあります」「ローカル検索の順位にお金で買える近道はないので、ビジネス プロフィールとクチコミから始めます」順位を上げるための依頼や金銭は一切受け付けないと Google が明記している

    ホワイトラベルのレポートで納品すれば、クライアントとの関係は代理店の手に残ります

    GEO by TriloAI で計測する場合、代理店プラン(月 US$1,198、ブランド 15 件まで、毎月 120 クレジット)ならホワイトラベルで納品でき、書き出した PDF のヘッダーとフッターが御社の会社名、ロゴ、ブランドカラーに変わります。フル分析は 1 回 3 クレジットなので 1 回あたり約 US$30、年払いなら 10 か月分の料金で 12 か月使えるため約 US$25 になります(プランと料金)。

    • 共有リンクは、表示を御社の会社名とロゴだけにできます。有効期限は 7 日、30 日、90 日、無期限から選べ、原稿、SEO、競合のセクションを非表示にすることもできます。取り消しはいつでも可能です。ただし URL は geotriloai.com のままなので、ツール名をクライアントに見せられない場合は PDF で納品してください。
    • プロプラン(月 US$398)でも PDF と共有リンクは使えます。ただ、ホワイトラベルではありません。ホワイトラベルは代理店プランだけです。
    • レポートはクライアントに納品することも、再販することもでき(利用規約第 5 条)、当社から代理店のクライアントに直接連絡することはありません。
    • まず試したい場合は、代理店向けプランからトライアルを申し込めば、審査を通過したあとフル分析 1 回分が使えるようになります。レポートは管理画面で確認していただく形です。

    よくある質問

    GEO は既存の SEO の月次レポートと分けて売るべきですか?

    作業は一緒に進めてかまいません。ただ、見積もりは分けて書くのがおすすめです。Google によると AI による概要や AI モードに表示されるための追加の要件はなく、改善作業の多くはもともと SEO の仕事です。一方で、AI の回答を計測し、数字が変わる理由を説明するのは新しく増える作業なので、分けて書けばクライアントにもその価値が見えます。

    クライアントに何度も「いつ効果が出るのか」と聞かれます。どう答えればいいですか?

    効果が出る時期ではなく、「毎月同じ質問で 1 回計測し、区間が重ならない変化だけを本当の変化として、そのつどご報告します」のように、どう測り、どのくらいの頻度で測るかを答えます。効果が出るまでの期間を公表しているプラットフォームはなく、日数を約束すると、翌月のふつうの変動だけで信用を失いかねません。

    クライアントのブランドや競合を計測ツールに入れても、機密の面で問題はありませんか?

    計測では質問、ブランド名、競合名を AI に送って尋ねる必要があるので、これらのデータは問い合わせ先の AI プラットフォームに送られます。GEO by TriloAI の場合、データを処理する外部サービスはプライバシーポリシーに記載しており、個人データを販売することも、当社独自のモデルの学習に使うこともありません。クライアントとの契約にデータの移転について特別な定めがある場合は、先にプライバシーポリシーをクライアントに確認してもらってください。

    クライアントの台湾や韓国、米国の市場も計測できますか?

    できます。ただし質問は現地の言語と現地の都市で作ります。日本語の質問を訳しただけでは使えません(翻訳した質問ではいけない理由)。見積もりには市場の数を書いておきます。市場が一つ増えるごとに、質問セットも計測も一つずつ増えるからです。

    次の一歩として、まず自社か、協力してくれるクライアント 1 社で無料クイックスキャンを試してください。登録不要・約 1〜2 分で、AI がサイトをどれだけ読み取れるかを確認し、ChatGPT で 2 問をリアルタイムに実測します。対象は ChatGPT のみです。PDF はメールアドレスごとに 1 回受け取れます。5 つのプラットフォームのフルレポートや、複数のクライアントの一括管理については代理店向けプランをご覧ください。